テレアポは営業活動の中でも特に難易度が高い業務です。
「また営業電話か」と思われた瞬間、電話を切られてしまう。このような経験は、テレアポに携わる方なら誰もが直面する課題ではないでしょうか。
しかし実際には、言い回しを少し変えるだけで、相手の反応は大きく変化します。
本記事では、テレアポの成功率を向上させる「効果的なフレーズ」を10個ご紹介します。これらは業界を問わず活用できる汎用性の高いフレーズです。すぐに実践可能な内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
はじめに名乗る前に一言添える「○○についてお電話差し上げました」
電話の最初の3秒で、相手は話を聞くかどうかを判断します。そのため、第一声の工夫が成功の鍵を握っています。
いきなり名乗ると警戒されやすい
「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社○○の△△と申します」
このフレーズは一般的によく使用されていますが、実はこの切り出し方では相手に「営業電話」と瞬時に判断されてしまう可能性が高いのです。
その理由は、通常の業務連絡では、いきなり会社名と氏名を名乗ることは少ないためです。取引先や知人からの電話であれば、もっと自然な挨拶から始まるはずです。
相手は常に「営業電話かどうか」を判断する警戒心を持っています。その警戒心を解くためには、自然な会話の流れを作る必要があります。
相手の注意を向けるクッションフレーズとして有効
そこで効果を発揮するのが、名乗る前に用件を簡潔に伝える方法です。
「お忙しいところ恐れ入ります。コスト削減についてお電話差し上げました。株式会社○○の△△と申します」
この順番の変更により、大きな違いが生まれます。
先に「何についての電話か」を伝えることで、相手は一瞬「コスト削減?」と関心を示します。その瞬間を活用して自己紹介を行うことで、スムーズに会話を始めることができるのです。
重要なポイントは、相手が関心を持つ可能性の高いキーワードを最初に配置することです。例えば、
- 「業務効率化について」
- 「売上向上の施策について」
- 「新しい集客手法について」
このように、相手の立場に立って興味を引くワードを選定することが大切です。
よくあるNG例:元気すぎる第一声のリスク
「○○社の△△です!本日は素晴らしいご提案があってお電話いたしました!」
このような過度に明るい自己紹介は、実は逆効果となることが多いのです。
理由は、相手に「押し売り」の印象を与えてしまうためです。警戒心を急激に高めてしまい、話を聞く前から拒否反応を示される可能性が高まります。
相手は業務中に電話を受けているため、自分のペースを乱されることを好まないのです。
代わりに意識すべきは、落ち着いたトーンで、相手のペースに合わせることです。「お忙しいところ恐れ入ります」という枕詞も、ゆっくりと丁寧に発音することで、相手に安心感を与えることができます。
忙しい相手に配慮する「○○分だけお時間いただけますか?」
テレアポで最も避けるべきは、相手の貴重な時間を奪う印象を与えることです。そのため、時間への配慮を示すことが成功への重要な要素となります。
時間制限を明言することで聞いてもらいやすくなる
「2分だけお時間をいただけますでしょうか」
このフレーズには大きな効果があります。人間には終わりが明確なものには協力しやすいという心理的傾向があるためです。
例えば、同僚から「相談がある」と言われると身構えてしまいますが、「5分だけ相談に乗ってほしい」と言われれば応じやすくなります。これと同じ心理原理が働いているのです。
実際にこのフレーズを導入して、「それくらいなら」と話を聞いていただける確率が向上したというデータがあります。
時間設定の目安としては:
- 初回のアプローチ:2〜3分
- 興味を示していただいた場合:5分
- 具体的な提案段階:10分
このように段階的に時間を設定することで、相手の負担を最小限に抑えながら、効果的なコミュニケーションが可能となります。
実際は少し長く話してもOKな理由
「2分と伝えたのに5分話したら問題ではないか」という懸念を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、相手が興味を持って聞いている限り、多少の時間超過は問題にならないことがほとんどです。
重要なのは、最初に時間的配慮を示したという事実です。これにより、相手は「この担当者は私の時間を尊重している」と感じ、好印象を持つことができます。
ただし、注意すべき点もあります。明らかに相手が急いでいる様子の場合は、約束の時間を厳守する必要があります。「2分とお伝えしましたが、もう少しお時間をいただけますでしょうか」と確認を取ることで、誠実な対応を心がけましょう。
実は、この「時間延長の許可」を求めることで、相手との関係性が一歩前進する効果もあります。「構いません」という返答が得られれば、それは相手が話に興味を持っている証拠です。自信を持って話を進めることができます。
相手に選択肢を与える「今このお電話か、また改めてがよろしいでしょうか?」

人間には、自分で選択したことに対して責任を感じるという心理的特性があります。この特性を活用したのが、このフレーズです。
相手の都合を尊重する姿勢が信頼につながる
「今このままお話しさせていただくか、また改めてお電話させていただく方がよろしいでしょうか」
このフレーズの優れた点は、相手に主導権を委ねているところにあります。営業電話特有の「押し付け感」を払拭し、相手を尊重する姿勢を示すことができます。
この方法が成功する理由は、心理学における「返報性の原理」が作用するためです。相手への配慮を示すと、相手も配慮を返したくなるという心理が、話を聞いていただける確率を高めているのです。
営業色を弱めるテクニックとして効果的
通常の営業電話は、一方的に話を進めようとする傾向があります。しかし、このフレーズを使用することで、「相談」や「情報提供」という印象に変換することが可能です。
具体的な使用例:
「お忙しい中恐れ入ります。業務効率化についてお電話差し上げました。今このままお話しさせていただくか、また改めての方がよろしいでしょうか」
この問いかけにより、相手は「営業を受ける」のではなく「自分が話を聞くことを選択した」という感覚を持ちます。この微妙な違いが、その後の会話の展開に大きな影響を与えるのです。
選択肢があると心理的に断りにくくなる仕組み
心理学では「ダブルバインド」と呼ばれるテクニックがあります。これは、どちらを選んでも話者にとって有利な選択肢を提示する手法です。
「今話すか、後で話すか」という選択肢は、実はどちらも「話を聞く」という前提に基づいています。つまり、相手は無意識のうちに「話を聞く」ことを受け入れているのです。
ただし、このテクニックを使用する際の注意点があります。相手が明らかに多忙な様子の場合は、素直に引き下がることが重要です。「承知いたしました。それでは、いつ頃お電話させていただければよろしいでしょうか」と確認することで、次の機会を創出することができます。
実際、一度引いて改めて連絡した方が、成約率が向上するケースも少なくありません。これは「約束を守る」という行動により、信頼関係が構築されるためです。焦らず、相手のペースに合わせることが成功への近道となります。
興味を引くワンフレーズ「同業他社でも好評いただいておりまして」
人間には、他者の行動に影響を受けやすいという心理的特性があります。この特性を効果的に活用したのが、このフレーズです。
共感や関心を引き出す外堀型トーク
「実は、同業他社様でも大変好評をいただいておりまして」
このフレーズを聞いた瞬間、相手の思考には「競合他社も導入しているのか」という疑問が生まれます。そして、自然と話の続きに関心を持つようになるのです。
営業現場でよく見られる失敗例として、新サービスの営業で「業界初の画期的なサービスです」とアピールしたところ、「実績のないものは導入できない」と断られるケースがあります。
そこでアプローチを変更し、「すでに多くの企業様にご利用いただいている」という訴求に切り替えると、反応が大きく改善することが分かっています。人は、誰も使用していないものより、多くの企業が採用しているものに安心感を覚えるという特性があるのです。
効果的な活用のポイント:
- 具体的な導入社数を提示する(「50社以上の企業様で」など)
- 業界や企業規模を明確にする(「御社と同規模の製造業様で」など)
- 成果を数値で示す(「平均20%のコスト削減を実現」など)
使いすぎ注意!差別化も意識しよう
ただし、このフレーズには注意すべき点もあります。それは、「他社が導入しているなら、当社は不要」という反応を引き起こす可能性です。「他社と同じことをしても差別化にならない」という経営者も多く存在するのです。
そこで重要となるのが、共通性と独自性のバランスです。例えば、
「同業他社様でも好評をいただいておりますが、御社の場合は特に○○の部分で大きな効果が期待できます」
このように、多くの企業が導入している安心感を提供しつつ、相手企業独自のメリットを提示することで、継続的な興味を維持することができます。
また、業界特性や相手の企業文化に応じた使い分けも重要です。保守的な業界では「実績」を、革新的な業界では「独自性」を強調するなど、相手を見極めて適切なアプローチを選択することが求められます。
導入を滑らかにする「○○様のお名前は拝見しておりまして」
初対面の相手に親近感を持っていただくためには、「あなたのことを知っている」というメッセージを伝えることが効果的です。
名簿リスト感を消し、親しみや安心感を演出
「実は、○○様のお名前はホームページで拝見しておりまして」
このフレーズを使用することで、機械的な営業電話ではなく、「あなた個人に関心を持って連絡している」という印象を与えることができます。
以前、単純にリストの上から順番に架電していた時期は、相手も「誰にでも電話しているのだろう」という冷めた反応を示すことが多くありました。しかし、このフレーズを導入してから、会話の質が明らかに向上したのです。
効果的な事前準備:
- 相手企業のウェブサイトを確認
- 担当者の部署や役職を把握
- 最近のプレスリリースや取り組みを調査
わずか5分程度の下調べで、成功率が2倍以上に向上するケースもあります。
調べている=本気度が伝わる一言
「御社のホームページを拝見して、○○の取り組みに感銘を受けました」
このような具体的な言及は、あなたの真剣度を伝える強力なツールとなります。相手は「わざわざ調べてくれた」と感じ、話を聞く姿勢を示してくれます。
ある事例では、製造業の経営者に対して「御社の品質管理システムについて拝見し、ISO認証取得の取り組みが素晴らしいと感じました」と伝えたところ、「よく見てくれましたね」と好意的な反応を得られました。結果として、30分以上の商談時間を確保することができたという成功例があります。
相手の”情報リテラシー”に合わせて使い分ける
ただし、このアプローチには相手によって調整が必要です。情報公開に積極的な企業と、そうでない企業では反応が異なるためです。
情報公開に積極的な企業の場合:
- 具体的な取り組みや実績に言及
- 最新のニュースやプレスリリースを話題に
- 企業理念やビジョンへの共感を示す
情報公開が限定的な企業の場合:
- 業界全体の動向から話を始める
- 一般的な課題提起から入る
- 過度に詳しい情報への言及は避ける
また、個人情報への配慮も重要です。「○○様の経歴を拝見して」などの表現は、場合によっては不快感を与える可能性があります。企業情報に留め、個人的な情報への言及は慎重に行うことが大切です。
断られそうな空気を変える「そうですよね、皆さん最初はそうおっしゃいます」
相手が断ろうとしている時、その流れを変えることは容易ではありません。しかし、このフレーズを使用することで、会話の流れを自然に転換することが可能となります。
共感を示しつつ逆転の布石を打つフレーズ
「そうですよね、皆さん最初はそうおっしゃいます」
このフレーズの優れた点は、相手の反応を否定せずに受け入れているところです。「いや、そうではなくて」と反論するのではなく、まず相手の立場に共感を示すことで、防御的な姿勢を和らげることができます。
実際の使用例: 相手:「今は必要ないです」 自分:「そうですよね、皆さん最初はそうおっしゃいます。実は導入された企業様も、最初は同じようなご意見でした」
この流れにより、相手は「自分だけではない」という安心感を持ち、続きの話に耳を傾けやすくなります。
営業現場でよく見られる失敗として、断られた際に必死に反論してしまうケースがあります。「いや、でも聞いてください!」と食い下がった結果、相手をさらに頑なにさせてしまうことが少なくありません。しかし、このフレーズを活用することで、断られた後でも会話が続く確率が向上するという調査結果が出ています。
押しつけ感をなくしながら会話をつなぐ
このフレーズの後に続ける言葉も重要です。相手の懸念を理解している姿勢を示しながら、新たな視点を提供します。
効果的な続け方の例:
- 「皆さん最初はそうおっしゃいますが、詳しくお聞きになると印象が変わることが多いんです」
- 「確かにそうですよね。ただ、○○という点だけでもお聞きいただければと思いまして」
- 「おっしゃる通りです。実は同じようなお考えだった企業様が、今では…」
ポイントは、相手を説得しようとするのではなく、情報提供の機会を求めるという姿勢です。これにより、営業の押し付け感が軽減され、相手も聞く姿勢を持ちやすくなります。
一度引いてから再提案する”間”の取り方
このフレーズを効果的に使うには、適切な”間”が必要です。相手が断った直後にすぐ使うのではなく、一呼吸置いてから使用することで、より自然な印象を与えることができます。
タイミングの例:
- 相手が断る
- 「なるほど、承知いたしました」(一度受け入れる)
- 2〜3秒の間を置く
- 「そうですよね、皆さん最初はそうおっしゃいます」
この”間”の存在により、相手は「押し売りではない」と感じ、警戒心が緩和されます。また、営業担当者自身も冷静さを保つことができ、より適切な対応が可能となります。
ただし、相手が明確に「二度と電話しないでください」などの強い拒否を示した場合は、このフレーズを使用せず、素直に引き下がることが重要です。相手の意思を尊重する姿勢が、長期的な信頼関係構築につながります。
担当者につなげたいときの「恐れ入りますが、ご担当の方はいらっしゃいますか?」
受付や総合窓口を通過して、決裁権を持つ担当者につながることは、テレアポの重要な関門です。このフレーズは、その関門を突破するための基本的かつ効果的な方法です。
営業電話ですか?の壁を乗り越えるコツ
「恐れ入りますが、○○のご担当の方はいらっしゃいますでしょうか」
このフレーズのポイントは、具体的な部門や業務を明示することです。単に「担当者」と言うのではなく、「ITシステムのご担当の方」「業務改善のご担当の方」など、明確に伝えることで、受付の方も取り次ぎやすくなります。
よくある失敗パターン: 「営業電話ですか?」と聞かれて「はい、そうです」と答えてしまうケース。これでは、ほぼ確実に断られてしまいます。
代わりに効果的な返答:
- 「○○に関する情報提供でお電話しております」
- 「○○についてのご相談がありまして」
- 「○○の件でご連絡差し上げました」
営業電話であることを隠す必要はありませんが、相手にとってのメリットを前面に出すことで、取り次いでもらえる可能性が高まります。
実際の成功事例として、「コスト削減に関する情報提供でお電話しています」と伝えたところ、受付の方から「それなら総務部につなぎます」と積極的に取り次いでもらえたというケースがありました。
総合窓口や受付でも使いやすい言い回し
受付を通過するための効果的なフレーズ集:
- 「恐れ入りますが、○○部門の方はいらっしゃいますでしょうか」
- 部門を特定することで、取り次ぎがスムーズに
- 「以前○○の件でやり取りさせていただいておりまして」
- 継続案件の印象を与える(ただし虚偽は厳禁)
- 「○○について詳しい方にお話を伺いたいのですが」
- 専門性を求める姿勢を示す
- 「○○の責任者の方はいらっしゃいますでしょうか」
- 決裁権者を明確に求める
受付の方も仕事として対応していることを理解し、丁寧かつ明確なコミュニケーションを心がけることが大切です。曖昧な表現や回りくどい説明は、かえって警戒心を招く原因となります。
また、受付で断られた場合の対処法も重要です。「承知いたしました。それでは、どなたにご連絡すればよろしいでしょうか」と確認することで、次回のアプローチにつながる情報を得ることができます。
クロージングに効く「○○な方にだけご案内しておりまして」
人は限定性や特別感に弱いという心理的特性があります。このフレーズは、その特性を活用してクロージングの成功率を高める効果的な方法です。
限定性で興味を引き出す方法
「実は、○○にお困りの企業様にだけご案内しておりまして」
このフレーズには、複数の心理的効果が含まれています:
- 希少性の原理:限られた人だけが対象という特別感
- 適格性の確認:相手が条件に合うかどうかの確認
- 選別された感覚:選ばれた企業という優越感
実際の使用例:
- 「年商10億円以上の企業様にだけご案内しているサービスなのですが」
- 「ITシステムの刷新をご検討中の企業様限定でお話ししています」
- 「業界でも先進的な取り組みをされている企業様だけに」
このアプローチの導入により、多くの営業現場でアポイント獲得率が向上したという報告があります。特に、決裁権者クラスの方には効果的で、「うちは該当するのか?」という興味を引き出すことができます。
ただし嘘っぽくならない誠実な演出を意識
しかし、このフレーズには使い方を誤ると逆効果になるリスクもあります。あまりに限定的すぎたり、現実味のない条件を設定すると、かえって不信感を招いてしまいます。
失敗例:
- 「今日電話した3社だけの特別なご案内です」(信憑性に欠ける)
- 「あなただけに特別に」(個人を特定しすぎて不自然)
- 「期間限定で今週まで」(煽りが強すぎる)
成功のポイントは、実際の導入条件や対象を正直に伝えることです。例えば、
「このサービスは、実際に一定規模以上のデータ量を扱う企業様でないと効果が出にくいため、該当する企業様にのみご案内しています」
このような説明であれば、限定性に論理的な根拠があり、相手も納得感を持って話を聞くことができます。
また、相手企業の特性を褒める形で限定性を演出することも効果的です:
「御社のように業界をリードされている企業様にこそ、このサービスの価値をご理解いただけると思いまして」
これにより、相手は自社が評価されていると感じ、前向きに話を聞く姿勢になりやすくなります。重要なのは、誠実さを保ちながら特別感を演出するバランス感覚です。
検討中の相手に刺さる「ご検討の中で何か懸念点などございますか?」
相手が「検討します」と言った時、それが本当の検討なのか、断り文句なのかを見極めることは難しいものです。このフレーズは、相手の本音を引き出すための効果的な質問です。
本音を引き出す質問形式の使い方
「ご検討いただく中で、何か懸念点やご不明な点はございますでしょうか」
このフレーズの優れた点は、オープンクエスチョンとして機能することです。「はい」「いいえ」で答えられない質問のため、相手は具体的な懸念や疑問を話さざるを得ません。
実際の効果:
- 相手の本当の懸念事項が明確になる
- 単なる断り文句か、本当に検討しているかが分かる
- 懸念事項に対して具体的な解決策を提示できる
実際の成功事例として、企業の担当者が「検討します」と回答した際、このフレーズを使用したところ、「実は予算の問題が…」と本音を話してくださったケースがあります。そこで、分割払いのプランを提案した結果、その場でアポイントが決まったという事例が報告されています。
このように、相手の懸念を把握できれば、適切な対応が可能となります。
無理に売らずに情報収集型の姿勢をアピール
このフレーズを使う際の重要なポイントは、売り込みではなく、相談に乗る姿勢を示すことです。
効果的な続け方:
- 「もしご予算の面でご懸念があれば、段階的な導入プランもご用意しています」
- 「技術的なご不安があれば、導入支援チームが全面的にサポートいたします」
- 「他社様でよくご懸念される○○については、このような解決策があります」
相手の懸念に対して、押し付けではなく選択肢を提示することで、コンサルティング的なアプローチが可能となります。
また、すぐに解決策を提示できない場合でも問題ありません:
「なるほど、○○がご懸念なのですね。その点について詳しく調べて、改めてご提案させていただけますでしょうか」
このような対応により、相手は「自分の課題を真剣に考えてくれている」と感じ、信頼関係が構築されます。
注意点として、相手が明確に「懸念はない、単純に必要ない」と答えた場合は、それ以上追求しないことが大切です。相手の意思を尊重する姿勢が、長期的なビジネス関係において重要となります。
最後に一歩踏み込む「では一度、お話だけでも聞いていただけませんか?」

テレアポの最終段階で使用するこのフレーズは、相手の心理的ハードルを最小限に下げる効果があります。
相手の決断ハードルを下げる柔らかクロージング
「では一度、お話だけでも聞いていただけませんでしょうか」
このフレーズには、いくつかの心理的な工夫が含まれています:
- 「お話だけでも」:契約や購入のプレッシャーを除去
- 「聞いていただく」:相手に主導権があることを示す
- 「一度」:継続的な拘束ではないことを明示
従来の「ぜひ商談のお時間をください」という直接的なアプローチと比較して、このフレーズは承諾率が高いという結果が出ています。
使用のタイミング:
- 相手が興味を示しているが、決断を躊躇している時
- 会話が良い雰囲気で進んでいるが、次のステップに進めない時
- 複数の懸念事項を解消した後の最後の一押し
実際の成功事例として、30分以上話をしても決断できなかった担当者に対してこのフレーズを使用したところ、「話を聞くだけなら…」と承諾いただき、結果的に契約に至ったケースがあります。
テレアポの最後を気持ちよく終えるコツ
このフレーズを使用した後の対応も重要です。相手が承諾した場合は、感謝の気持ちを明確に伝えることが大切です。
承諾後の適切な対応:
- 「ありがとうございます。お忙しい中、お時間をいただき感謝いたします」
- 日程調整は相手の都合を最優先に
- 「○分程度で終わるようにいたします」と時間の配慮を示す
- 「当日は○○についてご説明させていただきます」と内容を明確に
一方、このフレーズを使っても断られた場合の対応も重要です:
「承知いたしました。また機会がございましたら、ご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
このように、将来の可能性を残しながら、気持ちよく会話を終えることが、長期的な関係構築につながります。
最も避けるべきは、断られた後に食い下がることです。「お話だけでも」と言った後にさらに押すことは、信頼を損なう行為となります。相手の決断を尊重し、プロフェッショナルな対応を心がけることが重要です。
まとめ:効果的なフレーズは型であり、人で磨かれる
ここまで、テレアポの成功率を高める10個の効果的なフレーズをご紹介してきました。これらのフレーズは、多くの営業現場で実証された「型」です。
しかし、最も重要なことは、これらのフレーズを機械的に使うのではなく、相手に合わせて柔軟に活用するということです。同じフレーズでも、話すスピード、声のトーン、間の取り方によって、相手に与える印象は大きく変わります。
テレアポ成功のための最終チェックリスト:
- ☐ 第一声で相手の警戒心を解いているか
- ☐ 時間への配慮を示しているか
- ☐ 相手に選択肢を与えているか
- ☐ 実績や信頼性を適切に伝えているか
- ☐ 相手企業への理解を示しているか
- ☐ 断られても関係性を維持できているか
- ☐ 決裁者につながる工夫をしているか
- ☐ 特別感を誠実に演出できているか
- ☐ 相手の本音を引き出せているか
- ☐ 最後まで相手を尊重しているか
これらの効果的なフレーズは、練習と実践を重ねることで、真の武器となります。最初はぎこちなくても、使い続けることで自然に話せるようになり、やがては自分なりのアレンジを加えられるようになるでしょう。
最後に、テレアポで最も大切なことをお伝えします。それは、電話の向こうにいるのも、忙しい中で仕事をしている一人の人間だということです。相手の立場に立ち、敬意を持って接することが、すべての効果的なフレーズの根底にある原則です。
この記事でご紹介したフレーズを活用して、より多くの成功体験を積んでいただければ幸いです。テレアポは確かに難しい仕事ですが、適切なアプローチと誠実な姿勢があれば、必ず成果は向上します。
ぜひ、明日からの架電に取り入れてみてください。