営業チームでKPIを設定している企業は増えていますが、「数字を追うだけで改善につながっていない」「KPIの項目が多すぎて現場が混乱している」といった悩みを抱える企業は後を絶ちません。KPIは設定がゴールではなく、日々の運用と改善サイクルの中で初めて成果に結びつきます。
本記事では、営業KPIの基本的な考え方から、設計手順、日常の運用方法、未達時の分析と改善アクション、よくある失敗と対策までを網羅的に解説します。自社の営業組織に合ったKPI管理体制を構築するための実践ガイドとしてご活用ください。
営業KPIとは?基本の考え方を押さえる
KPIとKGIの違いを正しく理解する
営業KPIを正しく運用するためには、まずKPIとKGIの違いを理解する必要があります。
KGI(Key Goal Indicator)は、営業組織が最終的に達成すべきゴールを示す指標です。「年間売上1億2,000万円」「四半期の新規受注件数60件」のように、一定期間内の最終成果を数値化したものがKGIに該当します。
一方、KPI(Key Performance Indicator)は、KGI達成に向けた中間プロセスの進捗を測る指標です。例えば、「月間アポイント獲得数50件」「商談からの成約率25%」「週あたりの架電数200件」などがKPIにあたります。
KGIが「どこに到達するか」を示すのに対し、KPIは「到達するために何をどれだけやるか」を示す指標です。売上のKGIだけを追っていても、営業マン一人ひとりが「明日何をすればよいか」は見えてきません。KPIを設定して初めて、日々の行動指針が明確になります。
営業組織にKPI管理が欠かせない理由
営業組織にKPI管理が欠かせない理由は、感覚頼りの営業からデータに基づく営業への転換を実現するためです。
KPIを管理していない組織では、「なぜ今月は売上が下がったのか」「どの営業マンのどの工程にボトルネックがあるのか」を数値で説明できません。結果として、「もっと頑張れ」式の精神論に頼った指導になりがちです。
KPIを設定すれば、営業プロセスのどの段階に課題があるかを数値で特定できます。例えば、架電数は十分なのにアポイント獲得率が低い場合、トークスクリプトの見直しやターゲットリストの精度に原因がある可能性が高いと判断できます。
さらに、KPIはチーム全体の行動基準を統一する役割も果たします。メンバーごとに追うべき数値が共有されていれば、マネージャーのフィードバックも一貫性を保てます。属人的な営業スタイルに頼らず、組織として再現性のある営業活動を実現するための基盤がKPI管理です。
KPI管理が定着している営業組織では、新人が入社した際にも「何をどれだけやれば成果が出るのか」の目安が明確に示されるため、立ち上がりのスピードが格段に速くなります。
営業で押さえるべき主要KPI一覧

プロセスKPIと成果KPIの分類
営業KPIは大きく「プロセスKPI」と「成果KPI」の2種類に分類できます。
プロセスKPIは、営業活動の途中段階を計測する指標です。架電数、コンタクト率(電話がつながった割合)、アポイント獲得数、商談数、提案数などがプロセスKPIに該当します。営業マンが自分の努力でコントロールできる領域が多いのが特徴です。
成果KPIは、営業活動の結果を計測する指標です。成約率、受注件数、受注単価、売上金額、リードタイム(初回接触から成約までの日数)などが成果KPIに該当します。市場環境や顧客の意思決定にも左右されるため、営業マン個人の努力だけでは完全にコントロールできない側面があります。
プロセスKPIは「先行指標」、成果KPIは「遅行指標」と捉えてください。プロセスKPIの数値が改善されれば、時間差を経て成果KPIにも良い変化が表れます。
以下の表で、主要な営業KPIを一覧にまとめます。
| 分類 | KPI名 | 計算式・定義 | 管理頻度の目安 |
|---|---|---|---|
| プロセスKPI | 架電数 | 1日あたりの発信回数 | 日次 |
| プロセスKPI | コンタクト率 | 架電数のうち担当者と通話できた割合 | 日次〜週次 |
| プロセスKPI | アポイント獲得率 | コンタクト数に対するアポ獲得数の割合 | 週次 |
| プロセスKPI | 商談数 | 実際に顧客と商談を実施した回数 | 週次 |
| プロセスKPI | 提案数 | 見積もり・提案書を提出した回数 | 週次〜月次 |
| 成果KPI | 成約率 | 商談数に対する受注数の割合 | 月次 |
| 成果KPI | 受注単価 | 1件あたりの平均受注金額 | 月次 |
| 成果KPI | 売上金額 | 期間内の合計売上 | 月次 |
| 成果KPI | リードタイム | 初回接触から成約までの平均日数 | 月次〜四半期 |
テレアポ・インサイドセールスで追うべきKPI
テレアポやインサイドセールスの現場では、プロセスKPIの管理が成果を左右します。電話を主軸にした営業活動は、1件あたりの接触時間が短い分、活動量と確率の掛け算で成果が決まるためです。
最も基本的な指標は架電数です。1日あたりの目標架電数を設定し、日次で計測します。ただし、架電数だけを追うと「とにかく数をこなす」姿勢になり、1件あたりの通話品質が下がる恐れがあるため、コンタクト率やアポイント獲得率とセットで管理してください。
インサイドセールスでは、リードレスポンスタイム(見込み客からの問い合わせに対する初回対応までの所要時間)も見逃せない指標です。ある調査では、問い合わせから5分以内に対応した場合と30分後に対応した場合で、アポイント獲得率に約10倍の差が出たと報告されています。
テレアポのKPI運用については、「テレアポ営業のコツ16選|アポ獲得成功率を上げる電話のかけ方」の記事でも具体的なノウハウを紹介しています。架電数やアポ率の改善に取り組む際はあわせてご覧ください。
フィールドセールス・訪問営業で追うべきKPI
フィールドセールスや訪問営業では、1件あたりの商談に時間とコストがかかるため、商談の「質」を測るKPIの管理が欠かせません。
中心となる指標は商談数と商談成功率(成約率)です。商談数はパイプラインの入口を示し、成約率はパイプラインの出口を示します。両者のバランスを見ることで、「商談の母数が足りないのか、商談の質に問題があるのか」を切り分けられます。
BtoB営業では、リードタイムの管理も欠かせません。BtoB商材は意思決定者が複数いるケースが多く、初回接触から成約まで数か月を要する場合があります。リードタイムが長期化している案件は、商談が停滞しているサインです。パイプライン上の各案件がどの段階にあり、次のアクションは何かを週次で確認する運用を推奨します。
受注単価やリピート率も、フィールドセールスの成果を多面的に評価するための指標です。新規開拓に偏ると既存顧客のフォローが手薄になり、リピート率が低下する場合があるため、新規と既存のバランスも意識してください。
フィールドセールスのKPIは、案件ごとの金額や商談期間にばらつきが出やすい傾向があります。平均値だけでなく、案件ごとの進捗状況を可視化するパイプライン管理と組み合わせることで、月末の着地見込みを精度高く予測できます。
成果につながる営業KPIの設計手順
ステップ1|KGI(最終目標)を数値で明確にする
営業KPIの設計は、KGIの明確化から始めます。KGIが曖昧なままでは、KPIも的外れなものになります。
KGIは「年間売上1億2,000万円」「月間新規受注件数10件」のように、期間と数値をセットで定めてください。「売上を伸ばす」「新規顧客を増やす」のような定性的な表現ではKGIとして機能しません。
KGIを設定する際に確認しておきたいポイントは2つあります。1つ目は、経営計画や事業目標との整合性です。営業部門のKGIは、会社全体の売上目標やシェア目標から逆算して設定する必要があります。2つ目は、現実的な到達可能性です。過去の実績と市場環境を踏まえた上で、無謀な数値ではなく根拠のある目標を設定してください。
複数の商材やサービスを扱っている場合は、商材別にKGIを分けて設定する方法も検討する価値があります。全体の売上目標だけでは、どの商材に注力すべきかの判断が曖昧になるためです。
ステップ2|営業プロセスを分解してKPIに落とす
KGIが決まったら、営業プロセスを分解して各段階のKPIに落とし込みます。ここで活用するのがKPIツリーです。
KPIツリーとは、KGIを頂点に置き、達成に必要な各プロセスの数値を樹形図のように分解したものです。例えば、「月間売上500万円」をKGIに設定した場合、以下のように逆算できます。
売上 = 受注件数 × 受注単価で分解します。受注件数は商談数 × 成約率に分解され、商談数はアポイント数から生まれ、アポイント数はコンタクト数 × アポイント獲得率から算出されます。コンタクト数は架電数 × コンタクト率で求められます。
以下の表は、月間売上500万円を目標に逆算したKPIツリーの具体例です。
| 段階 | KPI名 | 目標値 | 算出根拠 |
|---|---|---|---|
| KGI | 月間売上 | 500万円 | 事業計画より設定 |
| 成果KPI | 受注件数 | 10件 | 受注単価50万円×10件 |
| 成果KPI | 成約率 | 25% | 過去6か月の平均実績 |
| プロセスKPI | 商談数 | 40件 | 受注10件÷成約率25% |
| プロセスKPI | アポイント獲得率 | 5% | 過去6か月の平均実績 |
| プロセスKPI | コンタクト数 | 800件 | アポ40件÷獲得率5% |
| プロセスKPI | 架電数 | 2,000件 | コンタクト率40%で逆算 |
KPIツリーを作成すると、KGI達成に必要な行動量が具体的な数値として見えてきます。「月間2,000件の架電が必要」と分かれば、1日あたり約100件(稼働日20日で計算)を目標にすればよいと逆算できます。
ステップ3|現状の数値を計測してベースラインをつくる
KPIツリーが完成したら、現状の数値を計測してベースラインをつくります。過去3〜6か月のデータを集計し、各KPIの平均値を算出してください。
ベースラインをつくる際は、チーム全体の平均値とトップ営業マンの数値を並べて比較する方法が有効です。両者の差が大きい項目ほど、改善の余地が大きい領域と判断できます。
例えば、チーム平均の成約率が20%でトップ営業マンが35%の場合、15ポイントの差があります。トップ営業マンのヒアリング手法や提案の進め方を分析し、チーム全体に共有すれば、成約率を改善できる可能性が高いといえます。
データが十分にそろっていない場合は、まず2〜4週間のあいだ現状の数値を計測する期間を設けてください。ベースラインのない状態でKPIの目標値を設定しても、「現実とかけ離れた数字」になる恐れがあります。
ステップ4|達成可能で挑戦的な目標値を設定する
ベースラインが定まったら、各KPIの目標値を設定します。目標設定のポイントは、「現状+10〜20%」を目安にした挑戦的かつ達成可能な水準に設定することです。
例えば、現在のアポイント獲得率が4%であれば、目標値は4.5〜5%が適切な範囲です。いきなり10%を目標にすると、現場は「達成できるわけがない」と感じ、モチベーションの低下を招きます。
目標値は「ストレッチ目標」と「最低ライン」の2段階で設定する運用も効果的です。ストレッチ目標はチームが全力を出して到達を目指す水準、最低ラインは「ここを下回ったら対策を打つ」水準を指す基準線です。2段階で管理すれば、現場のモチベーションを維持しながら、早期のアラート検知も実現できます。
ステップ5|KPIの担当者・報告頻度・管理ツールを決める
最後に、「誰が」「どの頻度で」「何を使って」KPIを報告・管理するかを決めます。
管理ツールは、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)の活用が理想的です。SalesforceやHubSpotなどのツールでは、ダッシュボード上でリアルタイムにKPIの進捗を確認できます。導入コストの面でSFA/CRMの活用が難しい場合は、Googleスプレッドシートやエクセルでも代替は可能です。
報告頻度は、プロセスKPI(架電数・アポ獲得数など)は日次、商談の進捗やパイプラインの変化は週次、成約率や売上などの成果KPIは月次で確認するサイクルを推奨します。報告のルールは、運用開始前にチーム全体で合意を取っておいてください。
営業KPIを日常で運用する方法

日次・週次・月次で確認すべき項目を分ける
KPIの運用では、すべての指標を毎日チェックする必要はありません。確認する項目を日次・週次・月次に分けることで、管理の負担を抑えながら必要なタイミングで必要な数値を把握できます。
日次で確認するのは、行動量に関するプロセスKPIです。架電数、コンタクト数、アポイント獲得数など、営業マンがその日のうちにコントロールできる指標を対象にします。日次で確認する目的は「計画どおりの行動量を確保できているか」の検証です。
週次で確認するのは、商談の進捗とパイプラインの変化です。新規で追加された商談数、各商談のステージ(初回訪問・提案済み・見積もり提出済みなど)の移動状況、停滞している案件の有無を確認します。週次のチェックにより、月末に「商談が足りない」と慌てる事態を防げます。
月次で確認するのは、成果KPIとKGIとの乖離です。成約率、受注件数、売上金額、受注単価といった成果指標の実績と目標値を比較します。KGIの達成度合いを確認し、未達の場合は翌月以降の行動計画を修正してください。
確認のタイミングと頻度をルール化しておくと、「忙しくて数字を見る暇がなかった」という状況を防げます。例えば、日次のKPIは毎日17時にSFAのダッシュボードでチェック、週次のパイプラインは毎週月曜の朝会で共有、月次のレビューは月初3営業日以内に実施、のように具体的に決めておくのが効果的です。
KPIダッシュボードの作り方と活用ポイント
KPIダッシュボードとは、主要な指標をリアルタイムで可視化する画面です。SFA/CRMのダッシュボード機能を使えば自動で数値が反映され、スプレッドシートで自作する場合はグラフや条件付き書式を活用して視認性を高めます。
ダッシュボードを設計する際のポイントは、表示する指標を3〜5個に絞り込むことです。すべてのKPIをダッシュボードに並べると、情報過多でどの数字を見ればよいか分からなくなります。「今月、チームとして最も注力すべき指標は何か」を起点に、追う指標を絞ってください。
ダッシュボードの構成例として、上段にKGI(月間売上の目標値と実績)を配置し、中段にプロセスKPIの推移グラフ(架電数・商談数・アポ獲得率の週次推移)を配置し、下段に営業マンごとのKPI達成率一覧を配置する形が見やすくなります。
ダッシュボードは「作って終わり」ではなく、毎週の会議で画面を共有し、チーム全体で数値を確認する運用を定着させてください。
1on1ミーティングでKPIをフィードバックに活かす
1on1ミーティングは、KPIをフィードバックに活かす最も効果的な場です。ただし、「先週のアポ獲得数が目標に届いていないぞ」と数字で詰めるだけの1on1では、メンバーのモチベーションを下げる逆効果になります。
KPIの数値を「行動の振り返り」に変換する質問を用意してください。例えば、アポイント獲得率が低下している場合、「先週のテレアポで、相手の反応が良かった場面と悪かった場面をそれぞれ教えてほしい」と聞きます。数値の背景にある営業マンの行動と顧客の反応を掘り下げることで、具体的な改善策が見えてきます。
マネージャーが陥りがちなNG例も押さえておいてください。「なぜ達成できなかったのか」と原因追及から入ると、メンバーは言い訳を考えることに意識が向いてしまいます。まず「先週うまくいった商談はあったか」と成功体験から振り返り、その後に「改善できそうなポイントはあるか」と課題に移る流れが理想的です。
営業チームの育成やフィードバックの具体的な手法については、「営業研修のやり方を徹底解説|成果が出るプログラム設計から実践メニューまで」の記事でも詳しく紹介しています。研修とKPI管理を組み合わせることで、チーム全体のスキルアップと数値改善を同時に進められます。
営業KPIが未達のときの分析と改善アクション
KPIツリーでボトルネックを特定する
KPIが未達の場合、まずKPIツリーを使ってボトルネックの位置を特定します。「売上が目標に届かない」の一言で片づけてしまうと、改善すべきポイントは分かりません。
分析の手順は3ステップです。
1ステップ目は、KPIツリーの各段階の実績値と目標値を並べることです。架電数、コンタクト率、アポイント獲得率、商談数、成約率、受注単価のそれぞれについて、目標値からどれだけ乖離しているかを確認します。
2ステップ目は、乖離が最も大きい項目を特定することです。例えば、架電数は目標を達成しているのに成約率が目標を大幅に下回っている場合、ボトルネックは「商談の質」にあると判断できます。成約率は高いが商談数が足りない場合は、「アポイント獲得」にボトルネックがあると判断します。
3ステップ目は、ボトルネックの原因を深掘りすることです。成約率が低いなら、「ヒアリングで顧客の課題を十分に引き出せていないのか」「提案の内容が顧客のニーズとずれているのか」「クロージングのタイミングが遅いのか」と、原因を具体化していきます。
ボトルネック別の改善アクション一覧
ボトルネックが特定できたら、改善アクションに移ります。以下の表は、営業プロセスの段階別に代表的なボトルネックと改善施策をまとめたものです。
| ボトルネックの段階 | 想定される課題 | 改善アクション |
|---|---|---|
| 架電数が不足 | 時間管理の問題、リスト不足 | 架電専用の時間帯を確保、ターゲットリストの見直しと拡充 |
| コンタクト率が低い | 架電のタイミング、リストの精度 | 業種別の最適な架電時間帯を検証、リストのクレンジング |
| アポイント獲得率が低い | トークスクリプトの問題、興味づけの弱さ | スクリプトの冒頭部分を改善、成功事例をトークに組み込む |
| 商談数が不足 | アポ獲得後のリードタイム、日程調整の遅れ | アポ獲得から商談実施までの期間短縮、日程調整の即時化 |
| 成約率が低い | ヒアリング不足、提案とニーズのずれ | ヒアリング項目の標準化、ロールプレイングの定期実施 |
| 受注単価が低い | 安価なプランへの誘導、アップセル不足 | 上位プランの提案トレーニング、顧客課題の深掘り強化 |
| リードタイムが長い | フォロー頻度の低さ、決裁プロセスの未把握 | フォローアップ頻度の最適化、決裁者への早期アプローチ |
アポイント獲得率の改善には、トークスクリプトの見直しが直接的な効果を発揮します。スクリプトの作り方や改善のポイントについては、「【完全ガイド】効果的なトークスクリプトの作成方法|成約率を劇的に向上させる秘訣」の記事で詳しく解説しています。
成約率の改善には、ロールプレイングによる商談力の強化が効果的です。「ロールプレイングの失敗例から学ぶ!改善のためのヒント」の記事も参考にしてください。
改善サイクルの回し方と見直しのタイミング
改善サイクルは、PDCAの枠組みで回すのが基本です。Plan(KPIの目標と改善施策の策定)→ Do(施策の実行)→ Check(KPIの変化を計測)→ Act(施策の修正・継続判断)の流れを繰り返します。
PDCAに加え、OODAループ(Observe:観察 → Orient:方向づけ → Decide:判断 → Act:行動)を取り入れる方法も有効です。営業の現場では、顧客の反応や市場の変化に対して素早く対応する場面が多く、計画を立ててから動くPDCAだけでは対応が遅れるケースがあります。OODAループは「まず現場を観察し、状況に応じて即座に行動を変える」アプローチで、日次・週次レベルの短いスパンでの改善に向いています。
KPIの目標値自体の見直しは、四半期に1回のペースを目安に実施してください。市場環境の変化、商材の価格改定、チームメンバーの入れ替わりなど、KPI設定時の前提条件が変わった場合は、目標値を修正する必要があります。「一度決めたKPIは変えてはいけない」と硬直的に運用するのは避け、現実に即した柔軟な管理を心がけてください。
営業KPI管理でよくある失敗と対策

KPIを設定しすぎて現場が混乱する
KPIを設定しすぎて現場が混乱するのは、KPI管理で最も多い失敗パターンです。「架電数も見たい、コンタクト率も見たい、商談数も成約率もリードタイムも」と指標を増やしすぎると、営業マンはどの数字を優先すればよいか分からなくなります。
追うKPIは3〜5個に絞るのが原則です。それ以上の指標は「確認する指標」として記録は残しつつ、日常の行動目標には含めません。
「追う指標」と「確認する指標」の使い分けは以下のとおりです。追う指標は、毎日・毎週の行動目標として営業マン自身が意識し、マネージャーもフィードバックに使う指標です。確認する指標は、月次や四半期のレビューで振り返る際に参照する指標で、日常のアクションには直結させません。
優先度の判断に迷う場合は、KPIツリーを参照し、KGIへの影響度が大きい指標から順に3〜5個を選んでください。
結果KPIばかり追ってプロセスを見ていない
結果KPIばかり追ってプロセスを見ていない状態は、「売上」や「受注件数」だけを管理し、そこに至るまでの行動量や商談の質をチェックしていないケースです。
結果KPIだけを追う弊害は、問題の発見が遅れる点にあります。売上が未達になった時点でアラートが出ても、すでに「挽回する時間がない」状態になっているケースが大半です。一方、プロセスKPIを先行指標として管理していれば、月の前半で「架電数が計画を30%下回っている」と気づき、早期に行動量を修正できます。
営業マネージャーは、売上の数字に目を奪われがちです。しかし、売上はあくまで営業活動の「結果」であり、結果を変えるにはプロセスを変える必要があります。日次・週次のレベルではプロセスKPIを中心に管理し、月次レベルで成果KPIとの整合性を確認する運用を定着させてください。
プロセスKPIを管理するメリットは、もう一つあります。成果が出ていなくても「正しい行動を取れている」ことを可視化できるため、営業マンが努力を認められやすくなる点です。結果KPIだけで評価される環境では、成果が出ない期間に営業マンのモチベーションが急速に低下します。プロセスKPIで「行動量は十分に確保できている」と確認できれば、「あとは質を微調整すれば成果につながる」と前向きなフィードバックが可能になります。
数値管理がプレッシャーになりメンバーが疲弊する
数値管理がプレッシャーになりメンバーが疲弊するのは、KPIを「罰則の道具」として運用してしまった場合に起こります。「目標未達だからペナルティ」「KPIが低い人は会議で名前を挙げて指摘」のような運用は、営業マンの心理的安全性を損ない、数字を「盛る」行為やモチベーション低下を招きます。
KPIは罰則の根拠ではなく、改善のヒントを見つけるためのツールです。未達の数値が出た場合は「何が原因で、どう改善するか」を一緒に考える姿勢が求められます。
心理的安全性を保ったKPI運用のポイントは3つあります。1つ目は、KPIの未達を個人の評価に直結させないルール設計です。プロセスKPIはあくまで改善のための情報であり、人事評価の指標とは切り分けてください。2つ目は、チームの達成度を個人よりも先に共有する運用です。「チームとして今月の商談数は目標の90%」と全体像から入ることで、個人を追い詰める空気を和らげられます。3つ目は、達成した指標には必ずポジティブなフィードバックを返すことです。「先週のアポ獲得率が先月比で2ポイント上がっている」のように、改善の兆しをきちんと認める姿勢が、メンバーの前向きな取り組みを後押しします。
まとめ
本記事では、営業KPI管理の基本的な考え方から、設計手順、日常の運用方法、未達時の分析と改善アクション、よくある失敗と対策までを網羅的に解説しました。
営業KPI管理で押さえておきたいポイントは、KGIとKPIの違いを理解した上で目的に合った指標を選ぶこと、KPIツリーで営業プロセスを分解し必要な行動量を逆算すること、日次・週次・月次で確認する項目を分けて運用負荷を抑えること、そして未達時はKPIツリーでボトルネックを特定し具体的な改善アクションにつなげることの4点です。
まずはKGIを数値で明確にし、自社の営業プロセスをKPIツリーに分解するところから始めてください。現状のベースラインを把握できれば、どの段階にボトルネックがあるかが見えてきます。本記事で紹介した設計手順と運用方法を参考に、チーム全体の営業成果を底上げするKPI管理体制を構築していきましょう。
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